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座ってから立ち上がるとふらつくのはなぜ?

この記事の対象:座りっぱなしのあと、立った瞬間にふらつくことがある成人

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あなたはどれ?

立ったあとの状態で決まります。

急ぐケース:失神した、胸の痛みがある、安静にしていても息苦しい、動悸が止まらないすぐ受診(強ければ救急・119)
急ぐケース:立ちくらみが頻繁・続く、または失神のない軽い動悸・息切れ(短くおさまる、歩くと少し息が上がる程度)もある早めに受診
30歳以下で、座ってから立った直後、たまに数秒ふらつくゆっくり立ち、ふらついたら座る
飲み物をとっていない、飲酒や食事のあと強く出やすい。水分をとってから立つ

2行目の「失神のない軽い動悸・息切れ」は、MSDマニュアルが失神の前後の動悸・息切れを警戒すべき徴候とするのを広げたドパLabの整理です。3行目の「ゆっくり立ち、ふらついたら座る」で足りるという扱いも公的基準ではありません。高齢の人・血圧の薬を飲んでいる人・立つたびに出る人は3行目の対象外です。おさまっていても、失神や胸の痛みがあったなら、その日のうちに受診を。

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研究・公的資料から分かること

MSDマニュアルは、立つと血液が脚にたまって血圧が下がり、脳へ届く血液が減るためにふらつきが起きると説明しています。ふだんは自律神経(血圧を自動で保つ体のしくみ)がすぐ立て直します。10代〜若い成人では、たまのふらつきはほぼ全員が経験するという論文もあります。

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資料ごとに言っていること

日本語の医学書、英国の医療機関、論文が、同じ向きのことを言っています。

出どころ(対象)言っていること読者にとって
MSDマニュアル家庭版(一般向けの医学書)立つと血液が脚にたまって血圧が下がる。いったん座ってからゆっくり立つと、多くの場合すぐ回復するふらついたら座る
NHS・英国の病院(一般向け)ゆっくり立つ。水分を増やす。酒を飲みすぎない。ふらついたら座り、おさまってから歩くふだんの対処
論文(症状が重い若者6人。横になった状態から立つ)立った直後に血圧が一時的に大きく下がった。20秒以内にほぼ戻った短時間の現象
総説論文(主に患者さんの対処法)脚やお尻に力を入れる方法が、失神を防ぐ対策として挙げられている補助として使う

どれも「立ったときのふらつき」の資料です。座っていた時間の長さとの関係を直接比べたものではありません。

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ドパLabの実用ルール

ドパLabは、ゆっくり立つ・ふらついたら座るを基本にし、補助として脚とお尻に力を入れます。どれも資料が挙げる対処ですが、効果を調べたのは主に受診中の患者さんで、健康な人での効果は確かめられていません。失神や胸の痛みは、対処ではなく受診の話です。

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立つときの手順

  1. 1ゆっくり立ち上がる(一気に立たない)
  2. 2ふらついたら、すぐ座る。おさまってから歩き出す
  3. 3立つときに、脚とお尻に力を入れる
  4. 4座りっぱなしでも、水分を切らさない

1・2・4はMSDマニュアルやNHS・英国の病院が挙げる対処、3は総説論文が挙げる方法(主に患者さんが対象)です。4つを手順にまとめたのはドパLabの整理で、健康な人での効果を比べた研究は見つかりませんでした。

詳しく知りたい人へ
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若い人では、立ちくらみは珍しくない?

30歳以下の失神外来の受診者371人のうち26人を調べたオランダの論文の冒頭に、健康な10代〜若い成人のほぼ全員が、たまに立ちくらみや目の前が暗くなる経験をする、とあります。頻繁な立ちくらみや失神寸前を訴える人も、一般の若い人の約2割との記述です。これはアンケートなどでの訴えの割合で、受診の基準ではありません(どちらも他の研究の引用)。つまり、たまのふらつきは珍しくありません。

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ふらつきは、どれくらいの時間で戻る?

同じ論文で、症状が重い若者のうち詳しく測れた6人が、横になった状態から立ったときの血圧を1拍ずつ測ると、立って8.5秒後(6人の真ん中の値=中央値)に最も下がり、20秒以内にほぼ元に戻りました。6人中5人がふらつきを感じたのは、5〜10秒後です。つまり、立ってすぐのふらつきは短時間の血圧の落ち込みと対応しています。ただし症状が重い人の測定で、座った状態から立つ場合ではありません。20秒は受診の基準ではありません。

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よくある誤解

ふらついても、こらえて立ち続けたほうがいい

英国の病院の資料は、ふらついたら座り、おさまってから歩くよう勧めています。MSDマニュアルも、座ってからゆっくり立つと回復しやすいとしています。

座りすぎ・ゲームのしすぎが原因

MSDマニュアルは、長く座っていた後にも起こると書き、NHSは長く座り続けたり立ち続けたりしないよう勧めています。ただし、座る時間の長さが原因だと示した資料は見つかりませんでした。ゲームをする人に特有、という資料もありません。資料が挙げる原因は、水分不足(脱水)、薬(特に血圧の薬)、脳や脊髄の病気、長期の寝たきりなどです。

塩をたくさんとれば防げる

MSDマニュアルは、塩分を増やすと和らぐ人もいるが、それは医師が勧める場合の話で、心臓の病気がある人には勧められないことがあるとしています。自己判断で増やさないでください。

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よくある疑問

病院では、どう調べますか?
MSDマニュアルでは、医師が5分ほど横になった状態で血圧と心拍数を測り、次に立って1分後と3分後にも測ると説明しています。原因がはっきりしないときは、心電図や血液検査を行うのが通常とされています。
10代でも、よくあることですか?
論文は、健康な10代でも、たまのふらつきはほぼ全員が経験するとしています(他の研究の引用)。ただし、失神した、胸の痛みがある、動悸が止まらないときはすぐ受診、頻繁に起きるときは早めに受診が目安で、年齢は問いません。ドパLabの助言として、10代は保護者にも伝えて、小児科などで相談してください。
カフェインは控えたほうがいいですか?
英国の病院の資料が「水分を増やし、カフェインを減らすと和らぐかもしれない」と書いていますが、ほかの資料では確認できず、効果は分かっていません。
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まだ研究で 分かっていないこと

  • 座る時間の長さ、ゲーム、睡眠不足と立ちくらみの関係を比べた研究は、現時点では確認されていません。MSDマニュアルは長く座っていた後にも起こると書きますが、原因を示したものではなく、「座りすぎが原因」「ゲームをする人に特に多い」とは言えません。
  • 数秒のふらつきを様子見にできるのは、30歳以下(論文の対象)でたまに起きる場合のドパLabの整理で、公的基準ではありません。MSDマニュアルは、時々しか出ない人も医師に連絡してくださいとしています。この記事は、その一文を注意欄に機械的には足さず、あえて省いています。
  • 高齢の人、血圧の薬を飲んでいる人、立つたびに出る人は、この整理の対象外です。31歳以上の成人に同じ整理が使えるかも分かっていません。気になるときは医師に相談してください。
  • 脚とお尻に力を入れる方法は、効果を調べたのが主に患者さんです。ふつうの人の立ちくらみにどれだけ効くかは明らかになっていません。
  • 「週に何回から頻繁」「何秒続いたら受診」を数字で示す資料は確認されていません。回数や時間では線を引いていません。
  • 失神を伴わず、動悸だけがある立ちくらみの受診の急ぎ度を、数字で示す資料も確認されていません。日本循環器学会の失神ガイドラインは、本文を確認できていないため、この記事では使っていません。

※ドパLabが本記事で確認した資料の範囲

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結局、こうする

立ちくらみで覚えるのは、この3つです。
  • ゆっくり立ち、ふらついたら座る
  • 立つときは、脚とお尻にも力を入れる
  • 失神・胸の痛み・止まらない動悸は、すぐ受診する

ドパLab編集部より
この記事は一般的な情報提供を目的とし、診断や治療の代わりにはなりません。確認可能な情報から、読者が今日選べる行動まで編集しています。