金縛りはなぜ起きる?夜更かしが続くと増える?
この記事の対象:夜更かしや不規則な睡眠が続き、金縛りにあったことのある成人
あなたはどれ?
今の状態と、どれくらい続いているかで決まります。
研究・公的資料から分かること
英国の公的医療サービス(NHS)は、金縛り(睡眠麻痺)を、眠りに入るときや目覚めるときに、体を動かせず声も出せなくなる状態と説明し、怖いが害はないとしています。続くのは数分ほどまでです。米国のクリーブランド・クリニックも、危険ではなく、数秒から長くて20分、たいていは数分としています。つまり、体験は怖くても、体に危険が及ぶものとは扱われていません。
資料ごとに言っていること
英国・米国の医療機関、世界の研究をまとめた分析、日本の専門医と学会の資料を開きました。
研究の数字は世界全体のものです。日本だけの数字は、今回開いた資料にはありませんでした。
ドパLabの実用ルール
ドパLabは、金縛りが起きたら慌てずに数分待つを基本にします。止める方法はないとされていて、待つのがいちばん現実的だからです。起きにくくする側では、NHSが勧める「毎晩だいたい同じ時刻に寝て、毎朝だいたい同じ時刻に起きる」を、なるべく守る形にします。夜更かしの日も、ずれを小さくするだけで構いません。
起きたとき、そのあとの手順
- 1起きたら、慌てずに数分待つ(目と呼吸は動かせます)
- 2動けそうなら、指を1本ずつ動かしてみる
- 3おさまったら、必要なだけ休む
- 4ふだんは、寝る時刻と起きる時刻をなるべくそろえる
指を動かす方法は、早く抜けられることがある、とクリーブランド・クリニックが書いているもので、効果が確かめられた方法ではありません。時刻をそろえる目安は、NHSの助言をドパLabが現実的な形にしたものです。
寝不足の休日の過ごし方は、寝不足の休日、寝だめで取り返せる?で扱っています。
なぜ起きる?体は眠ったまま、意識が戻るため
夢を見ることが多い時期の眠り(レム睡眠)では、体の筋肉の力が抜けます。日本の睡眠専門医の解説(済生会)は、この脱力がいわゆる金縛りだとしています。クリーブランド・クリニックは、レム睡眠に入るとき・出るときに意識が戻って起きると説明し、NHSは、体は眠りの状態なのに脳は活動しているためとしています。つまり、意識と体の切り替わりが、一瞬ずれた状態です。
夜更かしが続くと増える?
NHSは、不眠や、シフト勤務・時差などで乱れた睡眠パターンと関連があるとしています。クリーブランド・クリニックは、睡眠不足や不規則な睡眠のほか、強いストレスがかかっている時期や、眠れていない時期に起きやすいとしています。つまり、夜更かしで睡眠が足りない・時刻が乱れる時期に起きやすい、という関連はあります。ただしNHSは、なぜ起きるのかははっきりしないとしていて、夜更かしだけが原因とは言えません。
どれくらいの人が経験する?
世界の76の研究をまとめて調べた分析では、一生に一度以上経験した人は約30%でした(推定の幅は22〜39%)。ただし研究ごとに2〜60%と差が大きく、調べ方で数字が変わります。クリーブランド・クリニックは、20〜30代で多いとしています。つまり、経験する人は珍しくありません。日本だけの数字は、今回開いた資料では確認できませんでした。
よくある誤解
ナルコレプシーは、昼間に突然強い眠気が来る病気です。金縛りはその病気に多い症状の一つとされますが、世界で約3割が経験するとされ(研究で2〜60%と幅があり、日本だけの数字は未確認)、金縛りだけでは判断できません。手がかりは、昼間の異常な眠気です。
NHSは害はないとし、クリーブランド・クリニックも危険ではないとしています。眠りと目覚めの切り替わりで、体の力が抜けたまま意識が戻った状態と説明されています。
よくある疑問
- 金縛りの間、息はできますか?
- 体が動かせなくても、目を動かすことと息をすることはできる、とクリーブランド・クリニックは書いています。
- 昼寝のときにも金縛りは起きますか?
- 資料は、眠りに入る直前か目覚めるときに起きるとしていて、夜だけとは書いていません。ただし、昼寝と金縛りを結びつけて調べた資料は見つかりませんでした。昼寝の長さや時間帯が金縛りを増やすかどうかは、分かっていません。
- 仰向けで寝るのをやめれば防げますか?
- NHSは、仰向けで寝ると起きやすくなるとして避けるよう書いています。一方、クリーブランド・クリニックは、予防できることは多くないとしています。仰向けをやめて減るかを確かめた研究は、今回開いた資料にはありません。
- 周りの人が気づいたら、起こしていいですか?
- クリーブランド・クリニックは、金縛り中の人を起こしても安全で、声をかけたり触れたりすると、目が覚めて動けるようになることがあるとしています。
まだ研究で 分かっていないこと
- 金縛りが起きる詳しい理由は、まだはっきりしていません。睡眠不足などは「関連がある」ことまでで、原因とは言えません。
- 睡眠を整えることで金縛りがどれくらい減るかを示す具体的な数字は明らかになっていません。
- 昼寝と金縛りの関係を直接示した研究は、現時点では十分ではありません。
- NHSは仰向けで寝ないよう書き、クリーブランド・クリニックは予防できることは多くないとしていて、資料の間で意見が分かれています。
- 約3割という数字は世界全体のもので、研究によって2〜60%と幅があります。日本だけの数字は、現時点では確認されていません。
※ドパLabが本記事で確認した資料の範囲
結局、こうする
- 起きたら慌てず、数分でおさまるのを待つ
- 寝る時刻と起きる時刻を、なるべくそろえる
- 何度も続いて困るなら、医療機関に相談
睡眠不足で昼間もだるい日が続くなら、寝ても疲れが取れないのはなぜ?で扱っています。
記事内の一般的な健康情報を確認するために参照した情報です。最終確認:2026.09.30
NHS「Sleep paralysis」(英国の公的医療サービス。2026年9月確認)Cleveland Clinic「Sleep Paralysis: What It Is, Causes, Symptoms & Treatment」(2024年7月更新)金縛りの世界での頻度を76の研究からまとめた分析(Cureus, 2024)済生会「ナルコレプシー」(近藤英明 済生会長崎病院 睡眠医療センター長の解説)日本睡眠学会「睡眠障害の症状」(睡眠障害の基礎知識)ドパLab編集部より
この記事は一般的な情報提供を目的とし、診断や治療の代わりにはなりません。確認可能な情報から、読者が今日選べる行動まで編集しています。