ランクマで立てないとき、座ったまま何をすればいい?
この記事の対象:ランクマなどの連戦で席を立ちにくく、座りっぱなしが気になる成人(片脚の腫れ・痛みや、急な息苦しさ・胸の痛みがある人は、下の注意を先に読んでください)
あなたはどれ?
かかとの上げ下ろしは、厚生労働省が、車などの狭い座席に長く座る場面の予防として挙げている動きです(ゲームを想定した資料ではありません)。ゲームの連戦中の動き方を調べた研究は、現時点では確認されていません。「立つほうが先」も、立つのと座ったままを比べた研究ではなく、ドパLabの判断です。
立てないと、脚で何が起きる?
座っている間、ふくらはぎの筋肉はほとんど動きません。すると、脚の血の流れが弱くなります。厚生労働省も、水分が少ない状態で、車などの狭い座席に長く座って足を動かさないと、血行が悪くなり、血液が固まりやすくなる、と説明しています。
ある実験では、11人の若い健康な人が3時間座り続けました。片脚だけ「1分動かして、4分休む」をくり返し、もう片脚は動かしません。動かさなかった脚は、血流に反応して血管が広がる力が弱まりました。動かした脚は、弱まらず、むしろ上がっていました。ただし、実験での動かし方は要旨に書かれておらず、かかとの上げ下ろしは、厚生労働省の資料から、ドパLabが当てはめたものです。
座ったままでも、動かす意味はある?
同じ実験で、脚を動かした直後は、脚の血流が大きく増え、次の60秒ほどでおさまっていきました。試合中は集中が要るので、ドパLabは、動かすのを区切りのたびにする形を提案します。
ただし、座ったままの動きは「立つ代わり」とまでは言えません。立って歩く実験では、短い歩行を20〜30分おきに入れると、食後の血糖の上がり方が小さくなりました(11〜19人)。座ったままの動きと血糖を調べた実験室の実験は1件ありますが、数時間続ける条件でした。血圧や病気の起こりやすさは、この記事で参照した範囲には含まれていません。
試合の区切りに、こう割り当てる
- 1試合が終わったら、立てるなら立つ(飲み物を取りに行くなど)
- 2立てないなら、つま先を床につけたまま、かかとを上げ下げする(区切りの間、目安30秒)
- 3同じ間に、画面から目を離して遠くを20秒見る
30秒と、区切りごとにやる形は、ドパLabの目安です。
よくある疑問
- 30秒で足りますか?
- 30秒は、リザルト画面やロード中に収まる長さとして、ドパLabが置いた目安です。実験は「1分動かして4分休む」形で、30秒と1分を比べた研究はありません。区切りが短いときは、できる分だけで構いません。
- 試合中も、ずっと動かしたほうがいいですか?
- 何時間も動かし続けた実験室の実験はありますが、日常の生活での効果は確かめられていません。試合中は集中が要るので、この記事は区切りだけにしています。
- 運動や歩数の代わりになりますか?
- 代わりになるとは言えません。座ったままの脚の動きは、1日に動く量とは別の話です。動く量と座る時間の考え方は、「座りっぱなしは運動で取り返せる?」で扱っています。
まだ研究で 分かっていないこと
- 座ったままの脚の動きで、血圧や病気の起こりやすさが変わるかは、現時点では確認されていません。血糖は、数時間続ける実験室の実験が1件あるだけです。
- ゲームの連戦中を対象に、座ったままの動き方を比べた研究は、確認されていません。
- かかとの上げ下ろしと、ほかの座ったままの動きのどちらがよいかを比べた研究は、この記事で参照した範囲には含まれていません。
※ドパLabが本記事で確認した資料の範囲
詳しい根拠を見る(人数・条件・出典)
座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意する、としている。立つのが難しい人についても、じっとしている時間が長くなりすぎないよう、少しでも体を動かすとしている。何分ごとに何をするかは決めていない。
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」推奨シート(成人版)ときどき軽い体操やストレッチをする、かかとの上げ下ろしをする、こまめに水分をとる、などを挙げている。この記事で使うのは、かかとの上げ下ろしだけ。対象は車などの狭い座席に長く座る場面(災害時の避難生活の案内)で、ゲームのための資料ではない。
厚生労働省「エコノミークラス症候群の予防のために」脚の深い静脈に血の塊ができる病気では、片方の足全体やふくらはぎが急に赤黒く腫れ、痛みが出る、と説明している。その塊が肺に詰まると、呼吸が苦しくなり、胸が痛くなる、としている。この記事の「すぐ医療機関へ」「救急車を呼ぶ」という線引きは、これを安全側に読んだドパLabの整理で、学会が決めた基準ではない。
日本血管外科学会「深部静脈血栓症って?」11人の若い健康な人が3時間座った。片脚だけ、1分動かして4分休むをくり返し、もう片脚は動かさず比べた。動かした直後、膝の裏の動脈の血流の勢いは約34から約223(1/秒)へ増え、次の60秒でおさまった。血管が血流で広がる割合(FMD)は、動かさなかった脚で4.5%から1.6%へ弱まり(P=0.039)、動かした脚で3.7%から6.6%へ上がった(P=0.014)。血管の反応を測った実験で、病気の起こりやすさを調べたものではない。どんな動かし方かは、要旨には書かれていない。
Morishima ほか 2016, American Journal of Physiology – Heart and Circulatory Physiology(Europe PMC)座ったまま、かかとを上下に動かすふくらはぎの運動を、数時間続けた実験室の実験。食後の血糖の上がり方は、動かさない日より52%小さかった(血糖の実験は15人)。著者らは、これは臨床試験ではなく、日常の生活で効果を調べたものでもないと書いている。実験の運動は数時間続けるもので、30秒とは条件が違う。
Hamilton ほか 2022, iScience(Europe PMC)太り気味の45〜65歳19人が、座り続ける日と、2分の軽い歩行を20分おきに入れる日などを比べた。歩行を入れた日は、食後の血糖とインスリンの上がり方が小さかった。座ったままの動きは調べていない。
Dunstan ほか 2012, Diabetes Care(Europe PMC)11人が8時間座り、1分または5分の歩行を30分おき・60分おきに入れる条件などを比べた。5分を30分おきに入れた日は、血糖の上がり方が座り続けた日より58%小さく、血圧は歩行を入れたどの条件でも4〜5mmHg下がった。座ったままの運動は調べていない。
コロンビア大学医療センター「Rx for Prolonged Sitting」結局、こうする
- 座ったまま脚を動かすと、脚の血流は増えた。ただ、立つ代わりになるとは言えない
- 30秒・区切りごとの形はドパLabの目安で、効果を確かめた研究はまだない
立つ回数や、運動で取り返せるかは、座りっぱなしは運動で取り返せる?で扱っています。
同じ区切りで目を休める方法は、20-20-20ルール、ゲーム中はどうする?で扱っています。
記事内の一般的な健康情報を確認するために参照した情報です。最終確認:2026.10.04
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」推奨シート(成人版)厚生労働省「エコノミークラス症候群の予防のために」Morishima T, et al. Prolonged sitting-induced leg endothelial dysfunction is prevented by fidgeting. American Journal of Physiology – Heart and Circulatory Physiology, 2016Hamilton MT, Hamilton DG, Zderic TW. A potent physiological method to magnify and sustain soleus oxidative metabolism improves glucose and lipid regulation. iScience, 2022Dunstan DW, et al. Breaking up prolonged sitting reduces postprandial glucose and insulin responses. Diabetes Care, 2012コロンビア大学医療センター「Rx for Prolonged Sitting: A Five-Minute Stroll Every Half Hour」日本血管外科学会「深部静脈血栓症って?」ドパLab編集部より
この記事は一般的な情報提供を目的とし、診断や治療の代わりにはなりません。確認可能な情報から、読者が今日選べる行動まで編集しています。