自分が集中できる長さは、どう測ればいい?
この記事の対象:ポモドーロの25分などの決まった区切りが合わず、自分が何分集中できるのかを知りたい成人(集中できない状態が続いて仕事や学業に支障が出ている人は、下の注意を先に読んでください)
あなたはどれ?
この記事の手順(3日・真ん中あたりなど)は、ドパLabの実用ルールです。この方法が、決まった時間で区切るより良いと確かめた研究は、現時点では確認されていません。
「10〜15分で切れる」は本当?
「集中は10〜15分しかもたない」とよく言われます。大学の講義中の注意について、この説を支える根拠は乏しい、と結論した論文があります。人による違いを考えていない研究が多かったことも理由です。ただし、測って決めるやり方そのものは、研究で確かめられたものではなく、ドパLabの提案です。
もう1つ、メモには限界があります。人は、考えごとで心がそれていることに、いつも気づけるわけではない、とまとめた論文があります。そのため、メモの時刻は「気づいた時刻」で、実際に集中が切れた時刻より遅くなっているかもしれません(これはドパLabの推測です)。おおまかな目安として使ってください。
3日メモのやり方
- 1勉強や文章作りなど、頭を使う同じ種類の作業で、3日続けて記録する
- 2作業を始めたら、「ほかのことを考えてた」と気づくたびに、そこまでの長さを1回ぶんとして書く。書いたら、そこから数え直す
- 3気づいたら、原因を一言(通知・眠い・難しい・考えごと)添える
- 4原因が通知やスマホの回は、目安から外す
- 5残った回の長さを短い順に並べ、真ん中あたりを自分の区切りにする
- 6決めた長さは、タイマーで先に区切る(切れてから休むのではなく)
例: 25・35・40・45・50分の5回なら、真ん中の40分が区切りです(説明用の数字です)。メモが少ないうちは仮の目安です。気づかずに過ぎた時間は、記録に残りません。
よくある疑問
- 休憩は何分取ればいいですか?
- 休憩の長さは、この記事では決めていません。短い休憩には、気力を少し上げ、疲れを少し減らす小さな効果がある、と19本の研究のまとめは示しています。作業の成績が上がるかは、はっきりしませんでした。休憩の取り方は、「集中って何分で区切るのが正解?」で扱っています。
- 切れてから休むのではだめですか?
- だめとは言えません。ただ、ポモドーロの研究をまとめた論文には、決まった間隔で休むほうが、自分のペースで休むより疲れが少なかった、という小さな実験が3件(計87人)ありました。解剖学の勉強での実験で、間隔も研究側が決めたものです。ふだんの作業に当てはまるかは、分かっていません。念のため、この記事は、決めた長さを先にタイマーで区切る形を提案します(ドパLabの提案です)。
- 25分や90分は、間違いですか?
- 25分も90分も、よく紹介される区切りです。間違いと決めることはできず、合う人もいるかもしれません。この記事の方法は、決まった数字が合わなかった人が、自分の数字を出すためのものです。
まだ研究で 分かっていないこと
- 自分で集中が切れた時刻を記録して区切りを決める方法が、決まった時間で区切るより、成績や疲れの面で良いかは、現時点では確認されていません。
- 3日という日数や、真ん中あたりで決める方法を確かめた研究は、確認されていません。
- 気づいた時刻が、実際の時刻とどれくらいずれるかは、この記事で参照した研究からは判断できません。
- 「10〜15分」説の見直しの対象は大学の講義で、ふだんの作業は分かっていません。
※ドパLabが本記事で確認した資料の範囲
詳しい根拠を見る(人数・条件・出典)
「学生の注意は、講義の10〜15分ごろから落ちる」という説を調べ直した総説。授業中のノート取り、観察、学生の自己申告、体の反応の測定など、いくつかの種類の研究を見直し、この説を支える根拠は乏しい、と結論した。多くの研究が、人による注意の違いを考えていなかった。対象は大学の講義で、ふだんの作業ではない。
Wilson K, Korn JH. Attention during lectures: Beyond ten minutes. Teaching of Psychology, 2007目の前のことから心が離れる「心のさまよい」を調べた研究のまとめ。人は、心がさまよっていることに、いつも気づけるわけではない(気づくのは断続的)という結果をまとめている。この記事の「気づいた時刻は、実際より遅くなっているかもしれない」は、これを読んだドパLabの推測で、どれくらい遅れるかを調べた結果ではない。
Schooler JW ほか. Meta-awareness, perceptual decoupling and the wandering mind. Trends in Cognitive Sciences, 201119本の研究(22の集団、計2,335人)をまとめた分析。短い休憩で、気力は小さく上がり(効果の大きさd=0.36)、疲れは小さく減った(d=0.35)。作業の成績は、統計上はっきりした差ではなかった(d=0.16、p=0.116)。休憩が長いほど成績の伸びは大きく、頭を使い切る作業の回復には、10分より長い休憩が要るかもしれない、と著者らは書いている。自分で測った長さで区切る方法は調べていない。
Albulescu P ほか. "Give me a break!" PLOS ONE, 2022ポモドーロ・テクニックの研究32本(計5,270人)を集めた範囲レビュー。対象は解剖学の学習。無作為化試験3件(計87人)で、決まった間隔(24分作業・6分休憩、12分作業・3分休憩)のほうが、自分のペースで休む場合より、疲れが約20%少なかった、と抄録に書かれている。確認したのは抄録の数字で、本文は参照していない。決まった間隔は研究側が決めたもので、一人ひとりが測った長さではない。
Ogut E. Assessing the efficacy of the Pomodoro technique in enhancing anatomy lesson retention during study sessions: a scoping review. BMC Medical Education, 2025結局、こうする
- 「10〜15分で切れる」という説は、根拠が乏しいと整理されている。全員に共通する正解の長さは、この記事で参照した研究からは示されていない
- 3日メモで出した長さはドパLabの目安で、確かめた研究はまだない。気づいた時刻は、実際より遅れているかもしれない
60分から試すほうが手軽なら、集中って何分で区切るのが正解?を見てください。休み方も、そちらで扱っています。
メモの原因がスマホなら、集中したいなら、ショート動画はいつ切る?で切り方を扱っています。
記事内の一般的な健康情報を確認するために参照した情報です。最終確認:2026.10.07
Wilson K, Korn JH. Attention during lectures: Beyond ten minutes. Teaching of Psychology, 2007Schooler JW ほか. Meta-awareness, perceptual decoupling and the wandering mind. Trends in Cognitive Sciences, 2011Albulescu P ほか. "Give me a break!" A systematic review and meta-analysis on the efficacy of micro-breaks for increasing well-being and performance. PLOS ONE, 2022Ogut E. Assessing the efficacy of the Pomodoro technique in enhancing anatomy lesson retention during study sessions: a scoping review. BMC Medical Education, 2025ドパLab編集部より
この記事は一般的な情報提供を目的とし、診断や治療の代わりにはなりません。確認可能な情報から、読者が今日選べる行動まで編集しています。