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エナドリで動悸がする。何mgから危ない?

この記事の対象:エナジードリンクを飲んだあとに動悸を感じたことがあり、何mgから危ないのか知りたい成人

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あなたはどれ?

量ではなく、今の状態で行動が決まります。

急ぐケース:動悸が今も続いている/胸の痛み・息苦しさ・ふらつき・失神を伴う救急車(119)か救急外来
動悸は止まったが、胸の痛み・息苦しさ・失神があった/数分以上続いた/繰り返す/心臓の病気・家族の突然死がある当日中に医療機関へ
妊娠中・授乳中・18歳未満医療者に相談(子ども・10代は避ける)
短く速くなってすぐ治まり、ほかの症状はないその日はもう飲まない
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研究・公的資料から分かること

農林水産省・厚生労働省・消費者庁は、カフェインをとりすぎたときの影響として、めまい・心拍数の増加(消費者庁は「動悸」と併記)・不安・不眠などを挙げています。ただし何mgから動悸が出るかという線引きは、日本の公的機関の資料には示されていません。米国FDAも、400ミリグラム/日を「一般に悪影響と結びつかない量」とする一方、感受性の差は大きいとしています。

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公的機関は、動悸と量をどう書いているか

数字はどれも「ここまでなら悪影響と結びつかない」という安全側の目安です。動悸が出る量ではありません。

出どころ書いていること動悸の線引きか
農林水産省・厚生労働省・消費者庁とりすぎの影響として、めまい・心拍数の増加(消費者庁は「動悸」)・不眠などを挙げる。日本には、明確な基準や具体的な摂取量の目安は示していない(農林水産省)量の線は示していない
米国FDA動悸はとりすぎのサインの一つ。400ミリグラム/日は「一般に悪影響と結びつかない量」。感受性の差は大きいいいえ(安全側の目安)
欧州・オーストラリア/ニュージーランド1回の目安は、欧州が体重1kgあたり3mg(70kgで約200mg)、豪NZが200mgいいえ(安全側の目安)

農林水産省がまとめた各国の一覧と、FDAの説明にもとづく表です。消費者庁によると、国際的にも一日摂取許容量(毎日一生とり続けても悪影響がないと判断される量)は設定されていません。

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研究は何を調べて、何が分かったか

確認できた3つの論文(メタ分析・総説2本)は、血圧・心拍・心電図を測っており、動悸の自覚を主に調べていません。動悸の自覚を調べたのは、下の4つ目の報告です。

調べたもの分かったことつまり
健康な成人に飲ませて比べた17件の試験を、まとめて分析した研究(メタ分析。2024年)上の血圧は飲んで60〜80分後に平均約4.7mmHg(血圧の単位)高かった。心拍数と、心電図のQTc(拍動の電気的な間隔)には、有意な変化は出ていない(有意=偶然とは言いにくい差)メタ分析では血圧は上がった。ただし研究数は少なく、質にもばらつきがある。心拍数は「上がる」と言い切れない
エナジードリンクと心臓の37件の研究を集めた総説(2025年)。参加者は計1,597人、平均22.6歳心拍数を測った23件のうち14件で、有意に増えた。QTcを調べた12件のうち8件で、有意に延びた研究ごとに結果が割れている。上のメタ分析とも方向が違う
心臓への影響の報告を集めた総説(2021年)。症例報告32件、臨床試験19件重い不整脈などは症例報告(1人ずつの報告)で見つかっている。臨床試験では確認されなかった。心電図の変化(間隔が延びる・縮むなど)は見られた重い例の報告はあるが、頻度は分からない
ドイツの研究機関BfRの報告(農林水産省の紹介)。エナジードリンクを習慣的に多量に飲む15歳~18歳血圧・心拍数などの検査値は、飲まない人と有意な差なし。一方、約半数が飲んだあとに動悸・頻脈(脈が速いこと)・不眠・頭痛・胸の圧迫感を経験した検査に有意な差はなくても、動悸を感じる人は少なくない

メタ分析は、複数の研究の結果をまとめて計算する方法です。1つ目は抄録、3つ目も抄録のみを確認しています。2つ目は「何件の研究で有意だったか」を数えた方式で、効果の大きさをまとめたものではありません。

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ドパLabの実用ルール

ドパLabは、動悸が出た日は、もうエナジードリンクを飲まないを基本にします。あわせて、いつ・どの缶を・何mg分飲んだかをメモしておきます。動悸が繰り返して受診するとき、医師は頻度・続いた時間・きっかけ(カフェインを含む)を聞くからです。これは公的機関の推奨ではなく、ドパLabの整理です。

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動悸が出たときの順番

  1. 1まず、動悸が今も続いていないか、胸の痛み・息苦しさ・ふらつき・失神がないか見る。どれかあれば救急車(119)か救急外来へ
  2. 2止まっていて症状もなければ、そこで飲むのをやめる。その日はもう飲まない
  3. 3治まったら、いつ・何を・何mg飲んだかをメモする
  4. 4胸痛などがあった・数分以上続いた・繰り返す・心臓の病気があるなら、当日中にメモを持って受診する

この順番はドパLabの整理です。受診の目安は、英国NHSとMSDマニュアルの一般向け解説にもとづきます。心臓の病気などがある場合、NHSは通常の予約、MSDは直ちに受診としており、ドパLabは安全側のMSDに寄せました。日本の公的機関が示した基準ではありません。日本では救急車は119です。

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動悸は「脈が速い」だけではない

MSDマニュアルは、動悸を「心臓の拍動が自覚される症状」と説明しています。強く脈打つ、ふるえる、激しく鼓動する、脈が飛ぶ、といった感じ方が全部含まれます。動悸はよくある症状で、命にかかわる心臓の病気のサインであることはまれとされています。ただし、胸の痛みや息切れなどを伴うときは別です。

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受診の目安を、日本の資料ではなくNHSとMSDから引いた理由

農林水産省・厚生労働省・消費者庁・FDAの資料には、動悸の具体的な受診基準が書かれていませんでした。そこで、英国の公的医療機関NHSの「Heart palpitations」と、MSDマニュアル家庭版の「動悸」を、一般的な勧めとして使っています。

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NHSとMSDで、基準が違うところ

心臓の病気や家族の突然死がある場合、NHSは通常の予約(GP)、MSDは警戒すべき徴候として直ちに受診としています。ドパLabは安全側のMSDに寄せ、「当日中に医療機関へ」としました。NHSは救急の番号が999で、日本では119に置き換えています。どちらもドパLabの整理で、日本の公的な基準ではありません。

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よくある誤解

400mg(1回200mg)以下なら、動悸は出ない

400mgは、健康な成人で「一般に悪影響と結びつかない」とされる目安で、動悸が出ない保証ではありません。感受性や、体からカフェインが抜ける速さには大きな差があると、FDAは書いています。

動悸が出たら、心臓の病気のサイン

MSDマニュアルは、動悸はよくある症状で、命にかかわる心臓の病気のサインであることはまれとしています。ただし、胸の痛み・息苦しさ・失神を伴うときは別です。

動悸の原因は、タウリンや糖

どの成分がどれだけ関わるかは、分けて示されていません。2021年の総説も、原因になる成分の組み合わせは今後の検討が必要としています。

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よくある疑問

コーヒーは平気なのに、エナドリだと動悸します。なぜ?
コーヒーとエナジードリンクを比べて、動悸の出やすさを調べた資料は確認できませんでした。缶1本にコーヒー2〜3杯分のカフェインを含むものもあります(消費者庁)。短い時間に入る量が違うことは考えられますが、それが理由かは分かりません。
動悸が一度出たら、もうエナドリは飲めませんか?
飲むことを禁じた資料はありません。ドパLabの整理としては、出た日は飲まず、繰り返すなら量の問題として片づけずに医師に相談する、です。
すぐ治まったなら、受診しなくていいですか?
胸の痛み・息苦しさ・ふらつき・失神があった場合を除きます。それらがあって今は治まっている人は、当日中に医療機関へ(NHSは至急の予約か111、MSDは直ちに受診)。そうでなければ、NHSは動悸はよくあり通常は深刻ではないとしたうえで、繰り返す・数分より長く続く・心臓の病気がある・家族に心臓の病気の人がいる場合は受診を勧めています。1回で短く治まり、ほかの症状もなく、どれにも当てはまらないなら、この基準には当たりません。不安が続くなら相談してください。
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まだ研究で 分かっていないこと

  • 何mgから動悸が出るか、という線引きは、公的機関も研究も、現時点では示していません。
  • 心拍数と心電図の変化は、研究によって結果が割れています。動悸の感じ方との関係は明らかになっていません。
  • 動悸に、カフェイン・タウリン・糖などがそれぞれどれだけ関わるかは分かっていません。
  • 空腹・睡眠不足・飲酒との組み合わせで動悸が増えるかを調べた研究は確認されていません。
  • 重い不整脈の報告は症例報告が中心で、どれくらいの頻度かは明らかになっていません。
  • 研究の参加者は、主に健康な若い成人で、カフェインに慣れていない人が多くいました。習慣的に飲む人や、心臓の病気がある人に当てはまるかは明らかになっていません。
  • エナジードリンクとQTc(心電図の間隔)の延びには、量が多いほど延びるという傾向が示唆されていますが、動悸が出る量の線引きではありません。
  • ドイツの報告は、15歳~18歳で習慣的に多量に飲む人が対象で、農林水産省による二次紹介です。成人一般にそのまま当てはめないでください。
  • 受診の目安について、日本の公的機関が示した基準は確認されていません。NHSとMSDマニュアルの一般向けの説明を使っており、日本の公的な基準ではありません。2つは基準が違い(心臓の病気・家族の突然死・運動中の発症などを、MSDは警戒すべき徴候として直ちに受診、NHSは通常の予約)、ドパLabは安全側のMSDに寄せています。

※ドパLabが本記事で確認した資料の範囲

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結局、こうする

エナドリで動悸が出た人が覚えるのは、この3つです。
  • 何mgから動悸が出る、という線引きは示されていない。400mgは動悸の線ではない
  • 動悸が今も続く、または胸痛・息苦しさ・ふらつき・失神があれば救急へ。治まっていても当日中に受診
  • 出た日は飲まずにメモ。数分以上続く・繰り返すなら受診

ドパLab編集部より
この記事は一般的な情報提供を目的とし、診断や治療の代わりにはなりません。確認可能な情報から、読者が今日選べる行動まで編集しています。