カフェインが効かない人がいるのはなぜ?
この記事の対象:コーヒーやエナジードリンクを飲んでも眠気が取れず、自分は体質的にカフェインが効かないのかと思っている成人(こども・妊娠中・授乳中・服薬中の人は、下の注意も読んでください)
あなたはどれ?
毎日飲んでいると、効かなくなるの?
毎日コーヒーを飲む人は、飲んでも頭の冴えや集中が上がりにくいことがあります。ある試験では、ふだん飲む量で分けた成人369人に、カフェインか、カフェインを含まない偽薬(見た目は同じで、効果のないもの)を飲んでもらいました。
著者らは、眠気への耐性(慣れ)ができるため、よく飲む人は、飲んでも頭の冴えや考える課題の成績が上がらない、と結論づけています。飲まなかった状態と比べれば、飲むと眠気などは良くなりました。
別の小さな試験では、10日間飲み続けたあと、最後の2日だけ偽薬にしました。偽薬だけの条件や、飲み続けた条件と比べて、眠気と注意のミスが増えました。飲まない日は、集中力が落ちやすい、ということです。ただし、対象は若い男性20人だけで、女性や中高年に当てはまるかは分かっていません。
どちらの試験も、量を増やせば上積みがあるかは調べていません。
体質は、関係あるの?
カフェインを分解する速さには、個人差があります。複数のまとめ論文が、そう述べています。
ただ、その差が「効く・効かない」にどうつながるかは、まだ分かっていません。成人18人の試験では、分解が速い型の人のほうが、反応時間など一部の課題で効果が大きくなりました。けれど、遺伝子の型から、効き方を言い切れる段階ではありません。
体質は自分で変えにくいので、疑うのは最後にする、というのがドパLabの提案です。
効かないと感じたときの順番
- 1まず、睡眠が足りているかを見直す(目安は6時間以上。必要な時間には個人差)
- 2夕方以降のカフェインを控える(夕方以降は100mgまで。ドリップコーヒーで約170ml。敏感な人は、就寝の5〜6時間前から)
- 3効かなくても、量を増やさない(健康な成人で1日400mgまで。コーヒーのマグカップ約3杯)
400mgはカナダ保健省の目安で、健康な成人向けです。こども・妊娠中・授乳中・服薬中の人は、下の注意を読んでください。夕方以降の100mgは睡眠ガイド2023の記述です。缶のエナジードリンクは、缶に書かれた量で数えます。増やさないのは、上積みが未確認で、飲み続けても影響が出ないと推定される量が、日本でも国際的にも決められていないためです。順番はドパLabの整理です。
よくある疑問
- この答えは、信用できる?
- 偽薬と比べるなど、条件をそろえた試験が根拠です。ただ、人数は18〜369人で、あなたの生活にそのまま当てはまるとは限りません。人数や量は、下の「詳しい根拠を見る」にあります。
- 睡眠不足が原因では、ない?
- その可能性もあります。昼間の眠気は、睡眠不足だけでなく、睡眠障害や持病の薬の副作用でも出ると、厚生労働省は説明しています。強い眠気で支障があるなら、受診してください。
- 毎日飲んでいて、減らしたほうがいい?
- 減らすべきかは、この記事の資料では言い切れません。眠気で困っていなければ、まず増やさないことが先です。減らすなら少しずつにして、始めの数日は眠気が強く出ることがあると考えてください。戻るまでの日数も言い切れません。
- 効かないなら、量を増やしてもいい?
- ドパLabは、増やして試すことは勧めません。厚生労働省は、一生飲み続けても健康に悪影響が出ないと推定される量は、個人差が大きいことなどから、日本でも国際的にも決められていない、としています。
- 効かない人の割合は?
- 割合は、確認されていません。体質・慣れ・睡眠・病気のどれが多いのかも、比べた研究は見つかっていません。
詳しい根拠を見る(人数・量・出典)
ふだん飲む量で分けた成人369人に、カフェインか偽薬を飲んでもらって比べた(二重盲検のランダム化比較試験)。著者らは、眠気への耐性ができるため、よく飲む人は飲んでも頭の冴えや考える課題の成績が上がらない、と結論づけた。指で叩く速さなど、体を動かす課題は上がった。
Rogers ほか 2013, Psychopharmacology(PubMed)若い男性20人に、1日3回150mgを10日間続けてもらった。最後の2日だけ偽薬にすると、偽薬だけの条件や飲み続けた条件より、眠気と注意のミスが増えた(小規模な比較試験)。
Weibel ほか 2020, Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry(PubMed)カフェインの約95%は、CYP1A2という酵素(体の中で物質を分解するたんぱく質)が分解する。e-ヘルスネットも「カフェインの代謝には個人差がある」としている。
Nehlig 2018, Pharmacol Rev(PubMed)この酵素の働きには、最大で15倍の差があると、Liu & Xu 2026 が述べている(元は2005年の総説)。
Liu & Xu 2026, Hereditas(PMC)成人18人で、カフェイン(体重1kgあたり3mg)と偽薬を比べた。分解が速い型の人のほうが、反応時間など一部の課題で効果が大きかった。血中のカフェイン濃度は型で差がなく、脳の受容体の型(ADORA2A)でも差は出なかった(小規模な比較試験)。
Carswell ほか 2020, Eur J Appl Physiol(PubMed)昼間の眠気の原因は、睡眠不足だけではない(e-ヘルスネット)。健康な成人は1日400mgまで(コーヒーをマグカップ約3杯)が、カナダ保健省の目安として紹介されている(食品に含まれるカフェインQ&A)。夕方以降は100mgまでが、睡眠ガイド2023の記述。敏感な人は就寝の5〜6時間前から控えるとよい、ともされている(e-ヘルスネット)。
厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A」結局、こうする
- 睡眠を見直す。体質を疑うのは最後
- 量は増やさない。増やして上積みがあるかは未確認
- 強い眠気で支障が出るなら、医療機関へ
毎日の量を減らすときの進め方は、カフェインを抜いた頭痛、何日で終わる?で扱っています。
カフェインが体から抜ける時間と、最後に飲む時刻の決め方は、カフェインは何時間で抜ける?「半減期3〜7時間」の意味で扱っています。
記事内の一般的な健康情報を確認するために参照した情報です。最終確認:2026.10.03
厚生労働省 e-ヘルスネット「昼間の眠気」(最終更新 2025年6月1日)厚生労働省 e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」(最終更新 2025年6月1日)厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A」厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」Rogers PJ, et al. Faster but not smarter: effects of caffeine and caffeine withdrawal on alertness and performance. Psychopharmacology, 2013Weibel J, et al. Caffeine-dependent changes of sleep-wake regulation: evidence for adaptation after repeated intake. Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry, 2020Carswell AT, et al. The effect of caffeine on cognitive performance is influenced by CYP1A2 but not ADORA2A genotype. Eur J Appl Physiol, 2020Nehlig A. Interindividual differences in caffeine metabolism and factors driving caffeine consumption. Pharmacol Rev, 2018Liu X, Xu S. Unraveling the complexities of caffeine: metabolism, genetics, evolution, and health. Hereditas, 2026ドパLab編集部より
この記事は一般的な情報提供を目的とし、診断や治療の代わりにはなりません。確認可能な情報から、読者が今日選べる行動まで編集しています。