冬の日光不足、食べ物で補える?
この記事の対象:冬はほとんど外に出ず、日光でビタミンDが作れないと聞いて食事で補えるのか気になっている健康な成人
あなたはどれ?
研究・公的資料から分かること
国立環境研究所の試算では、紫外線の試算に使われる10マイクログラム(食事から摂る目安量として決められた数字ではありません)を日光で作るのに、冬は那覇で14分、つくばで41分、札幌で139分かかります(晴天・長そで長ズボンで手と顔を出した場合)。一方、文部科学省の食品成分データベースでは、しろさけ(生)が100gあたり32.0マイクログラム、さんま(皮つき・生)が16.0マイクログラムです。
ビタミンDは、何にどれだけ入っているか
文部科学省の食品成分データベースの値です(100gあたり)。
いちばん右の列は、100gあたりの値からドパLabが計算した目安です。食品成分データベースに載っている値ではありません。乾燥したきのこの「100gあたり」は、実際には食べない量である点に注意してください。
ドパLabの実用ルール
ドパLabは、冬は日光を勘定に入れず、魚の回数で考えることを勧めます。日光でつくれる量は住んでいる地域・天気・時刻で桁が変わりますが、食べた魚の量は変わらないからです。きのこは乾燥重量では数字が大きく見えますが、実際に食べる量が少ないため主役になりません。この優先順位はドパLabの整理で、資料が順番を決めているわけではありません。
迷ったら、この順番で考える
- 1冬は日光を勘定に入れない。地域と天気で桁が変わる
- 2先に決めるのは魚を食べる回数。1切れで試算量を超える
- 3生の切り身でなくてよい。缶詰・干物・しらすも候補になる
- 4きのこは足りない日の足し。主役にはしない
この順番はドパLabの整理です。資料が順番を決めているわけではありません。
なぜ冬は日光をあてにできないのか
ビタミンDは、皮膚に紫外線が当たって作られます。紫外線の量は緯度・季節・時刻で大きく変わるため、必要な時間も変わります。国立環境研究所の試算では、冬の正午に10マイクログラム(紫外線の試算に使う値)を作るのにかかる時間が那覇14分、つくば41分、札幌139分。同じ研究所は、冬なら40分以上2時間以下を目安として示しています。晴れた日の計算なので、曇りや雨の日はさらに長くなります。窓の内側では紫外線が遮られるため、作られません。
「100gあたり」で比べると、順位が逆になる
食品成分データベースの値は100gあたりで並んでいます。この並びだと、きくらげ(乾)85.0マイクログラムが最上位で、しろさけ(生)32.0マイクログラムより上に来ます。しかし乾燥きくらげを1食で100g食べることはありません。2〜3gに直すと2マイクログラム前後です。一方、しろさけは1切れ80gがふつうの一食分なので、約26マイクログラムがそのまま入ります。数字の大きさではなく、実際に口に入る量で見ないと、選び方を間違えます。
よくある誤解
「100gあたり」で見るとそうなります。ただし乾燥きくらげ100gは、ふつう食べない量です。1食ぶん(2〜3g)に直すと2マイクログラム前後で、魚1切れの10分の1以下になります。
地域で桁が変わります。国立環境研究所の試算では、冬の正午で那覇14分に対し札幌は139分。晴天を前提にした計算なので、曇りや雨ならさらに長くなります。
どちらか一方ではありません。厚生労働省の資料も、日照を踏まえたうえで食事からの摂取を考えるよう書いています。冬に日光の取り分が減るぶん、食事の比重が上がるという関係です。
この記事はサプリを扱いません。ビタミンDには耐容上限量があり、食事の内容・持病・服薬で判断が変わります。医師・薬剤師・管理栄養士へ相談してください。
よくある疑問
- 毎日1切れ食べないとダメですか?
- 毎日という指示は、今回確認した資料にはありませんでした。1切れで1日ぶんの試算量を超えるので、週に数回で回る計算になります。ただしこれはドパLabの計算で、資料が回数を決めているわけではありません。
- 焼くと減りますか?
- 食品成分データベースには、しろさけの「焼き」の値も別に載っています。調理法で数字が変わるので、気になるときは同じデータベースで調理後の値を見てください。
- ツナ缶でもいいですか?
- 缶詰は魚の種類で中身が変わります。食品成分データベースは魚種と加工ごとに値を分けているので、買う前に商品の魚種を見てください。この記事では個別の商品を判定しません。
- 干ししいたけを日に当てると増えると聞きました
- きのこのビタミンDが紫外線で変わるという話は広く出回っていますが、今回確認した一次情報の範囲では扱えませんでした。食品成分データベースの値は、載っている状態のものです。
- 10マイクログラムという目標はどこから来ていますか?
- 国立環境研究所が、日光でどれだけ作れるかを試算するときに使っている値です。食事から摂る目安量として決められた数字とは別のものなので、そのまま比べないでください。
この記事が言えないこと
- 「1切れ80g」「乾燥2〜3g」「1個3g」は、ドパLabが置いた食べる量の目安です。食品成分データベースに書かれている値ではありません。
- この記事が目標に使った10マイクログラムは、国立環境研究所が日光の試算に使っている値です。食事から摂る目安量として定められた数字ではありません。食事摂取基準そのものは、今回このセッションで原典(PDF)を開けなかったため、この記事では数値を扱っていません。ドパLabの別記事「結局、最低限検討するサプリは何?」は2025年版の目安量として9マイクログラムを挙げています。しろさけ1切れの約26マイクログラムは、9でも10でも上回ります。
- 食品成分データベースの値は、その食品の代表値です。産地・季節・個体で幅があります。
- 食事でビタミンDを摂れば、日光を浴びなくてよいとは言えません。日光には体内時計を整える別の働きがあります(そちらは目から入る光の話で、ビタミンDとは別です)。
- 血液中のビタミンDが足りているかどうかは、食べた量だけでは分かりません。気になる場合は医療機関で相談してください。
結局、こうする
- 冬は日光を勘定に入れない(札幌の冬は139分)
- 魚を1切れ、週に数回。缶詰や干物でもよい
- きのこは足し。乾燥100gの数字で選ばない
日光のほうの答えは別にあります。ほとんど外に出ない生活、太陽は何分浴びればいい?で、何分・どこでを扱っています。
記事内の一般的な健康情報を確認するために参照した情報です。最終確認:2026.09.14
文部科学省 食品成分データベース「しろさけ/生」文部科学省 食品成分データベース「さんま/皮つき/生」文部科学省 食品成分データベース「きくらげ/乾」文部科学省 食品成分データベース「しいたけ/乾しいたけ/乾」国立環境研究所『環境儀 No.79』「紫外線モニタリングデータを活用し、適切な日光浴で健康に」(2020年)厚生労働省eJIM「ビタミンD(一般の方向け)」ドパLab編集部より
この記事は一般的な情報提供を目的とし、診断や治療の代わりにはなりません。確認可能な情報から、読者が今日選べる行動まで編集しています。