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朝食は、抜いてもいい日ってある?

この記事の対象:「今日は朝ごはんを食べられなかった」「朝は食欲がない」という健康な成人(断食など、意図的に食べない時間を延ばす食事法は扱いません)

CONCLUSION まず結論

今日たまたま抜いた日なら、気にしなくて構いません。ただし毎朝抜く生活に変えるなら別です。痩せる手段としては、実験での差は0.5kg前後で、体脂肪率に差は見られていません。

今日から、これだけやればOK
  • 今日たまたま抜いた日なら、そのままでいい。1食の有無より数日の合計で見る
  • 痩せるために抜いているなら、期待を下げる。実験での差は0.5kg前後で、体脂肪率に差は見られなかった
  • 毎朝抜く生活が続いているなら、健康診断のLDLコレステロールだけは見ておく
01

あなたの場合、こうする

今日たまたま抜いてしまった大きな問題にはなりにくいと考えられます。研究はいずれも数週間単位で習慣的に抜いた場合を比べたもので、今日1日だけを直接調べた研究はありませんが、1食の有無より数日の合計のほうが影響は大きいと考えられます。
朝に食欲がない。無理に食べるのがつらい無理に食べなくてよい日があって構いません。そのぶん昼と夜でたんぱく質を確保してください。
時間がない。作る余裕がない朝食を作るのではなく1品足すでいい。牛乳1本(約6.8g)とヨーグルト1個(約3.4g)で約10gになります。
痩せたいから抜いている期待するほどの効果は確認されていません。実験での差は0.5kg前後で、体脂肪率に差は見られませんでした。
抜くと昼に食べすぎる自覚がある平均では逆の結果ですが、個人差が大きい領域です。自分の実感を優先して構いません。
午後に眠くなる・集中が切れる数日だけ食べて、自分で比べてください。朝食を食べた側は午後〜夕方の血糖の変動が小さかったという実験があります。この実験の朝食は700kcal以上で、比べた相手は正午まで何も食べない条件でした。
健康診断でLDLコレステロールを指摘された常態化させないほうが無難です。抜く生活を続けた実験でLDLが上がったという報告があります。
血糖を下げる薬(インスリン・SU薬など)を使っている自己判断で食事を抜かないでください。抜く場合も含め、主治医に相談してください。
02 研究から分かること

抜くと太ると抜いても平気が並ぶのは、数えているものが違うから

朝食については、性質のまったく違う2種類の研究が並んでいます。ひとつは、朝食を食べる人と食べない人をくじ引きで割り当てて比べた実験。もうひとつは、もともと朝食を食べていない人を何年も追いかけて、病気や死亡を数えた観察研究です。実験は数週間から2か月ほど、観察研究は16〜23年で、見ているものも違います。下の表では、どちらの種類の数字かを先に書きました。

数字これは何の数字か誰に当てはまるか
0.44kg【実験】13件のRCTを統合したとき、朝食を抜いた側が多く減った体重。追跡は平均7週間高所得国の成人
0.54kg【実験】別の7件のRCT(425名・平均8.6週間)でも、抜いた側が少なかった体重18歳以上の成人
体脂肪率=有意差なし【実験】同じ7件のうち5件で測定。差が無いと確かめられたのではなく、差を検出できなかった18歳以上の成人
+9.24mg/dL【実験】抜いた側で高かったLDLコレステロール。ただし3件の研究のみ18歳以上の成人
259.79kcal/日【実験】朝食を食べた側のほうが多かった1日の総摂取カロリー。追跡は平均2週間高所得国の成人。研究間のばらつきが大きい
11kcal/日以内【実験】安静時代謝率の差。抜くと代謝が落ちるはこの実験では起きなかった痩せ型の成人33名・6週間
442kcal/日【実験】朝食を食べた側のほうが多かった体を動かすことによる消費痩せ型の成人33名・6週間
ハザード比1.87【観察】朝食をまったく食べない人の心血管疾患による死亡リスク40〜75歳の米国成人6,550名・17〜23年
ハザード比1.19【観察】同じ研究の総死亡。信頼区間が1をまたぎ、統計的に有意ではない40〜75歳の米国成人6,550名・17〜23年
相対リスク1.27【観察】朝食を抜く男性の冠動脈疾患リスク。BMI・高血圧・高コレステロール・糖尿病を介していた米国男性26,902名(45〜82歳)・16年

実験側の数字には幅があります。体重0.44kgは信頼区間0.07〜0.82kg、0.54kgは信頼区間0.03〜1.05kg(p=0.04)、LDLの+9.24mg/dLは信頼区間2.18〜16.30(p=0.01)で、しかも3件の研究だけに基づく値です。体脂肪率は統計的な差が確認されませんでしたが、差が無いと確かめられたという意味ではありません。研究はバイアスのリスクがあり、追跡期間も短いため慎重な解釈が必要です。血糖と活動量を調べた実験は700kcal以上の朝食と正午まで何も食べない条件を比べました。観察側の総死亡ハザード比1.19は信頼区間0.99〜1.42で有意ではありません。因果推定の解析も信頼区間の下端がほぼ1で、確定したとは言えません。紹介した研究は主に欧米の成人が対象です。

03 ドパLabの実用ルール

迷ったら、この順番で決める

  1. 1まず今日1日の話か、毎朝抜く生活の話かを分ける。混ざっているから決められません
  2. 2今日1日の話なら、そのままでいい。1食の有無より、数日の合計で見ます
  3. 3痩せる目的で抜いているなら、期待を下げる。差は0.5kg前後で、体脂肪率に差は見られていません
  4. 4毎朝抜く生活が続いているなら、健康診断のLDLコレステロールを見ておく
  5. 5朝に何か足すなら作るではなく1品足す。牛乳1本とヨーグルト1個で約10gです

この順番は、ドパLabが読者向けに整理したものです。研究がこの順序を推奨したわけではありません。また、上に挙げた数字はいずれも集団の平均であり、研究どうしのばらつきも大きい領域です。あなた個人にそのまま当てはまるとは限りません。

詳しく知りたい人へ
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抜く人は心臓の病気が多いは、何を意味しているのか

観察研究では、朝食をまったく食べない人の心血管疾患による死亡が、毎日食べる人より高く出ています。別の男性医療従事者の研究でも、朝食を抜く人の冠動脈疾患リスクが高く出ました。

ただし後者の論文は、関連がBMI・高血圧・高コレステロール血症・糖尿病によって媒介されていたと報告しています。朝食を抜くことと心臓の病気の関連が、体重・血圧・コレステロール・血糖の違いを通っていたという意味です。

観察研究では、朝食欠食が原因で数値が変わったのか、別の要因が両方を動かしたのかは区別できません。朝食の有無だけでなく、体重・血圧・コレステロール・血糖を確認するほうが直接の手がかりになります。

総死亡はハザード比1.19、信頼区間0.99〜1.42で統計的に有意ではありません。朝食を抜くと早死にするとは言えません。因果推定の解析もありますが、信頼区間の下端がほぼ1で、確定したとは言えません。朝食欠食自体が病気の原因とも、原因ではないとも確かめられていません。

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朝に1品足すなら、何をどれだけか

朝食を抜いた日は、1日のたんぱく質の合計が届きにくくなります。運動していない成人の目安は体重×約1.0g、国の推奨量では男性65g・女性50gです。3食で割っていた前提が1食減るので、昼と夜で確保できているかを見ます。

料理を作る話にしないほうが続きます。牛乳1本(200ml)で約6.8g、納豆1パック(40g)で6.6g、卵1個(50g)で6.1g、豆乳1本(200ml)で6.4g、食パン6枚切1枚で5.3g、プロセスチーズ1個で4.5g、ヨーグルト1個で3.4gです。商品や個体により多少ずれます。

牛乳1本とヨーグルト1個で約10g、牛乳1本と卵1個で約13g、納豆1パックと食パン1枚で約12gです。朝食を用意するのではなく1本足すと考えれば、時間がない日にも選択できます。

毎朝必ず足すという話ではありません。今日抜いた日のことならそのままで構いません。足す話が効くのは、毎朝抜く生活が続いている場合です。

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よくある誤解

朝食を抜くと代謝が落ちる

痩せ型の成人33名を対象にした6週間の実験では、安静時代謝率の差は11kcal/日以内でした。ただし朝食を食べた側は体を動かす消費が442kcal/日多く、活動量の違いがありました。

抜くと昼にドカ食いして、結局太る

13件のRCTを統合すると、朝食を食べた側の総カロリーが259.79kcal多くなりました。ただし研究間のばらつきが大きく、個人差の大きい領域です。

抜くと太る

実験では抜いた側が0.4〜0.5kg多く減っていました。ただし研究の質は高いとは言えず、追跡も平均7週間と短いものです。

じゃあ痩せたいなら抜けばいい

差は0.5kg前後で、体脂肪率は統計的な差が確認されませんでした。減量の手段として期待できる大きさではありません。

抜くと早死にする

観察研究で有意だったのは心血管疾患による死亡です。総死亡はハザード比1.19、信頼区間0.99〜1.42で有意ではありません。ただし関係がないと確かめられたわけでもありません。

抜いても何もデメリットはない

抜く生活を続けた実験でLDLコレステロールが9.24mg/dL高かったという報告があります。別の実験では午後から夕方の血糖変動が大きくなりました。

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まだ断定できないこと

  • 朝食を抜くこと自体が病気の原因になると確かめられたわけではありません。観察研究では、関連が体重・血圧・コレステロール・血糖を経由したと報告されていますが、どちらが先かは区別できません。
  • 逆に因果は無いと確かめられたわけでもありません。遺伝情報を使った因果推定では関連が出ていますが、信頼区間の下端がほぼ1で、確定したとは言えません。
  • 体重に関する実験はバイアスのリスクがあり、追跡期間も平均7週間と短いものです。
  • LDLコレステロールが上がった結果は3件の研究に基づきます。上がると決まっているとは言えません。
  • 朝食欠食と午後の眠気・集中力の関係は確認できていません。確認できたのは血糖変動が大きかったことまでです。
  • 紹介した研究は数週間から数か月にわたる習慣的な比較です。今日1日だけ抜いた場合を直接検証した研究はありません。冒頭の気にしなくて構いませんは、そこからの推論です。

ドパLab編集部より
研究が直接示した結果と、それを日常の優先順位へ変換したドパLabの実用ルールを分けて掲載しています。特定製品の効果や購入を推奨する記事ではありません。